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【書評】世界一のプロゲーマーがやっている努力2.0

努力2.0書籍

東大卒のプロ格闘ゲーマーである、ときどさんの著書「世界一のプロゲーマーがやっている努力2.0を読んだ。

東大卒とプロゲーマーという異色の肩書き。しかも帯には『「東大に受かる」努力では、仕事でも人生でもゲームでも、もう勝てない』とある。

これは衝撃的です。

本書は圧倒的に変化が激しいeスポーツの業界で変化に対応して実績を残してきた、ときどさんが日々実践してきた「努力のやり方」がまとめられています。

どんな業界も変化をしていくものです。

そんな変化に対応して結果を残していくためにも、読む勝ちありと思って読んでみました。

結果的に、とても良い本だと思ったのでレビュー記事を書いてアウトプットをしてみます。

東大卒プロ格闘ゲーマーのときどさんとは?

ときどさんのことは、名前はどこかで聞いたことがある気がするのですが、本書を読むまではどんな方なのか知りませんでした。

7歳から格闘ゲームを始めて、東大に入学。大学院まで進学するものの、中退しプロになる。

しかし、プロになって4年ほどした2013年頃から、まったくといっていいほど勝てなくなってしまう。

それは、環境が変化したことで周囲のプレイヤーのレベルが上がり、それまでの戦い方が機能しなくなってしまったからだった。

そんな中、これまでのやり方を捨てて、新しい努力の仕方を確立し、2017年以降はふたたびプロゲーマーとしてトップクラスの実績に返り咲きました。

才能あふれるトッププレイヤーたちがひしめく、プロゲーマーの業界の中で結果を出してきた努力のやり方を「努力2.0」として6つの法則にまとめたのが本書なのです。

努力2.0って何?

では、努力2.0とは何なのか?

これまでの世の中で「こうすればうまくいく」と一般的に言われてきた努力のやり方を「努力1.0」と定義しています。

一言で言えば「勝ちにこだわる」「ただがむしゃらにやる」「一人でやる」といった、昔からある努力のイメージです。

一方で「努力2.0」は「無理をしない」がキーワード。

「努力2.0」を構成する6つの法則が以下の通り

①反復の法則

努力1.0 勝ちにこだわる

努力2.0 負けの中に答えがある

②環境の法則

努力1.0 一人でやる

努力2.0 ライバルは「敵ではない」

③メンタルの法則

努力1.0 情熱だけで乗り切る

努力2.0 心に「負荷をかけない」

④継続の法則

努力1.0 己に打ち勝って続ける

努力2.0 頑張りは「いらない」

⑤Whyの法則

努力1.0 レールにそって生きる

努力2.0 嫌なことは「やらない」

⑥自力の法則

努力1.0 人と比較する

努力2.0 「自分史上最強」になる

このように、「努力2.0」を支える6つの法則あります。

それぞれの法則を実現するために、ときどさんが具体的にやっていること、考えていることの数々が本書で紹介されているのです。

毎朝、「自分の通信簿」をつける

本書に書かれていた具体的な行動の中で、実際にやってみて「これはいいな」と思ったことを1つ紹介します。

それが、『毎朝、「自分の通信簿」をつける』ことです。

項目でいえば、『心に「負荷をかけない」【メンタルの法則】』に該当するところです。

毎朝ノートに「睡眠時間」「食事の回数」「脈拍」「ストレス量」「感動の回数」「幸せ度」「タフな行動」「とったカフェインの量」などを数値化して自己評価します。

ときどさんは25項目を評価しているそうですが、私は10項目程度から開始。1週間ほど続けて今では14項目まで増やしました。

私が記録している項目は、

「睡眠時間」「睡眠の質」「ストレス量」「幸せ度」「今日の成果」「瞑想時間」「肉体的な健康度」「運動量」「寝た時間」「起きた時間」「読書量」「1日の計画を立てたか?」「1日の振り返りをしたか?」「カフェイン量」

の14項目。

基本的に10段階評価ですが、具体的な分数や時間数を書き込む場合もありますし、丸かバツかでチェックする項目もあります。

実際にやってみると、「睡眠と体調は大きく結びついてるな」と感じられることもありますし、「運動が何日もできてないな」「読書ができてないな」といった自分の生活に足りないものが見えてきます。

なんとなく毎日が「うまくいってる」「うまくいってない」という感覚でしか捉えられなかったものが、「この部分はうまくいってる」「この部分はうまくいってない」と客観視できるようになってきました。

また、翌日以降に行動を改善したほうがいい部分も見えやすくなってきました。

これは、やってみてとても良い習慣だったので続けたいと思います。

大事な行動をルーティン化する

これは、まだできていないことですが、取り入れたい習慣の1つ。

法則で言えば「継続の法則」のところに該当するメソッドです。

努力を継続するときには、「意志力を使わずに」できるようにルールを作っていきます。

ダメな自分を前提とした「仕組み」を作るのです。

それが、「大事な行動をルーティン化」すること。たしかに、私のまわりでも結果を出している人は、このルーティン化の力を使っています。

逆に自分がダメなパターンに入り込むときも、ゲームやYouTube鑑賞や夜ふかしがルーティン化してしまい、良くない行動の繰り返しになってしまうことがあります。

ルーティン化の1つのやり方は、標準的な1日の時間割を作ることです。

そのときのポイントは3つあるそうです。

そのポイントとは?

①1日の中に種類の違う行動を入れておくこと

例えば、著者のときどさんは「勉強」と「ゲーム」であったり、「ゲーム」と「運動」を毎日のルーティンに入れていました。

「ゲーム」はときどさんにとっては仕事ですから、普通の人でありば「仕事」と「運動」などに応用できるでしょうか。

仕事しかしない場合でも、「デスクワーク」と「人と話す仕事」など、複数の種類の仕事や作業を組み合わせて計画すると良さそうです。

②ルーティンに縛られない

2つ目のポイントは、そうは言ってもルーティンにしばられないこと。

予定外のことは起こるものなので、そのたびにイライラしたりはしない。

目的に応じてルーティンも柔軟に変化させていく。

③「一番大事なポイント」をきっちり押さえる

3つ目のポイントは「一番大事なポイント」をきっちり押さえること。

あらゆる予定に優先させて、必ず行動することをルーティンの中に入れるのです。

ときどさんで言えば「15時にゲームの対戦会に行く」ことを一番大事なポイントに設定しています。

自分の達成したい目標に向かうために、必要不可欠な行動を選んで、その行動をする時間を決めて何よりも優先してその行動をする。

これが「一番大事なポイント」を押さえるということ。

せっかく予定通りに行動しても、それが目標達成に近づくものでなかったら、あまり意味がないですからね。

共感できることが多かった「努力2.0」

本書「世界一のプロゲーマーがやっている努力2.0」は、とても共感できることの多い一冊でした。

ときどさんとは、比較的年齢が近いことも、また大学院を中退して自分がやりたい業界で独立したという経緯も一緒です。

また、変化に対応しながら次々と打ち手を打って行動していく必要がある仕事に取り組んでいることも一緒です。

むしろ、プロゲーマーの業界は私が関わるIT業界以上に、動きが早い面もあると感じました。

だからこそ、そこで成果を出せる努力の仕方は大いに参考にしたいと思いましたし、そうすることで自分自身の飛躍にも繋がりそうだと感じました。

「努力2.0」を構成する6つの新しい努力の仕方に1つ1つ取り組んでいきたいと思います。