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【要約・感想】「書く瞑想」(古川武士著)のまとめ

こんにちは。守屋 (@shinichiroweb)です。

古川武士さんの新刊「書く瞑想〜1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される〜」を読みました。

発売日前ではありますが、献本をいただきまたので早速まとめと感想を書こうと思います。古川さん、ダイヤモンド社さん、ありがとうございます!

古川武士さんは『30日で人生を変える「続ける」習慣』をはじめ21冊の著書を累計95万部以上出されているベストセラー作家さんです。

習慣化をテーマとした個人向けコンサルティングを1000人以上に行いつつ、企業向けにも研修を行っていて、2021年12月現在で5万人以上のビジネスパーソンの育成に携わってきています。

古川さんのこれまでの活動の集大成とも言えるメソッドを詰め込んだのが本書であり、短期・中期・長期の視点を盛り込んで、心を整えつつ人生をも変えていく手法が紹介されています。

読んでみて、「これは凄い!ぜひやり続けていきたい!」と心から思える内容でしたのでシェアしたいと思います。

「書く瞑想」を読んだほうがいい人

「いつも、不安と焦りで心に余裕がない」

「やるべきことばかりで、やりたいことに時間がとれない」

「生活リズムが最悪。朝は遅いし、夜ふかしの毎日を変えたい」

「マイナスの考えがぐるぐる巡って疲弊する」

「自分のやりたいことって何だろう?それを考える時間すらない」

心の中にモヤモヤやごちゃごちゃを感じていませんか?

であれば、本書の実践はとてもおすすめできます。

そういった感覚はなくとも、

「今のままでは不安。」

「人生をもっとよく変えたい!」

そう感じている方は多い気がします。

というか、人生がもっと良くなるなら良くしたいという人がほとんどではないでしょうか?

「今の人生で100%満足。ほかに変えるところは何もない!」

自信を持ってそう言える人以外は、本書の内容を実践する価値が大いにあるかと思います。

「書く瞑想」の目次と概要

「書く瞑想」の目次

はじめにーやることばかりのカオスの毎日から脱出するー

第1章 書いて、整えるー「感情ジャーナル」の自己整理効果

第2章 考えない。呼吸するように書くー「書く瞑想」の書き方

第3章 出す、分ける、変えるー「書く片付け」の3ステップ

第4章 書いて、結晶化させるー月1回の振り返りジャーナリング

第5章 書き出すと、変わっていくー「感情ジャーナル」書き方の実践例

第6章 習慣にすると、進化するー思考・行動・感情を統合させる

第1章では、なぜ本書のメソッドが効果があるのか?

その裏付けとなるエビデンスや実践するメリットが語られています。

具体的な始め方は第2章から解説。このワークを実践するだけで、心のモヤモヤが可視化されてすっきりできる可能性があります。

第3章では「モノの片付け」との関連性を例に出し、第2章で行ったワークを「心の片付け」に変えていく考え方がわかります。

第4章では具体的に月1回の振り返りのワークを通じて、自己理解を深め、自分の価値観と理想のビジョンを明確にし、人生を変えていく行動を始めていく流れが解説されています。

第5章では、実際に本書のメソッドを実践した人がどのように進めていき、どうなったのかを具体的に示し、第6章ではメソッドを習慣化するコツや実践していくにあたっての補足がまとめられています。

「書く瞑想」の要約 人生を変える感情ジャーナルとは?

本書で紹介されているメソッドは「感情ジャーナル」と呼ばれるもので、自分の感情を文章にしていくことで頭と心が整理されていきます。

3つのステップに従ってワークをしていくことで、自分を深く知り、心を整理して、人生を変えていく行動を少しずつとっていくことができるのです。

STEP1 書く瞑想

まず、最初に行うのは1日15分程度の「書く瞑想」を行うことです。

「瞑想」や「マインドフルネス」のメソッドは近年注目されています。原理はそれに近いものです。

日々の自分の感情を毎日紙に書いていくのがこのステップです。書くことは主に2つ。

①放電日記(ログとセルフトーク)

まず書くのは放電。すなわち、1日の中で自分の感情・気分・エネルギーを下げたものにフォーカスします。

やりたいことができなかった自分かもしれないし、多すぎる仕事かもしれないし、周囲の人との人間関係によってエネルギーが下がることもあると思います。

ネガティブに目は向けないほうがいいんじゃないかと思われる人もいるかもしれませんが、ここでは思い切ってネガティブなことにフォーカスします。

まずは「ログ」として、出来事を1つ1つ広く拾い出していきます。そして、次に「セルフトーク」として、1つの出来事や感情にフォーカスして、そのことにちなんだ自分の感情を思うままに文章で書いていきます。

②充電日記(ログとセルフトーク)

ネガティブな面にフォーカスする「放電」のログとセルフトークを書いたら次はポジティブな面にフォーカスする「充電」のログとセルフトークを書いていきます。

マイナスを出し切ってからプラスにフォーカスしたほうが、素直にプラスにフォーカスしやすい人が多いはずです。

また、マイナスの感情を見ていくことで、自分の本音に気付いたり自己発見がしやすくなります。

一方で、マイナス面だけを見ても気持ちが上がらないので、気分良くワークを終えつつ、自分に自信を持つためにプラスにもフォーカスします。

心のメンテナンスは日々の放電、充電ログを書くだけでもすぐに効果が出るそうです。

STEP2 書く片付け

毎日、放電日記と充電日記を書くだけでも十分に心の整理はできます。

しかし、人生を変えるほどのインパクトは得にくいものになります。

自分に対する洞察を深めて、より良い未来を描き行動を変えていくためのステップが「書く片付け」の項目です。

月1回、1時間程度の時間を確保して書いたワークを振り返りつつ行動計画を立てていく「書く片付け」を行っていきます。

「書く片付け」は過去1ヶ月で書いた日記を参考に以下の5つのワークを実施していきます。

①インパクト図

これは、「書く瞑想」の放電日記、充電日記を見返すことで、自分の感情のパターンに気づいていきます。

実は、自分のモヤモヤや嬉しかったことは、それほど多くのパターンがないことに気がつきます。

「何が自分の感情にプラスをもたらし、何がマイナスをもたらしているのか?」

それを書き出していけば、「解消していくべきなのはどんなことなのか?」「増やしていったほうがいいのはどんなことなのか?」に気づくことができます。

②価値観マップ

「自分にとって大切なことはなにか?」を明確にするのがこのワークです。

自分の価値観を明確にするワークは、いろいろなメソッドがありますが、実際に体験したことを記録した結果がベースに自分の価値観を見つめていくので、より本来の自分が望んでいるものが明確になります。

③理想のビジョン

自分の価値観を土台に理想のビジョンを描いていきます。

目標を立てても実現するための行動ができなかったり、行動を継続できなかったりすることはありませんか?

それは、自分に根性がないわけではなく、そもそも本来の自分の価値観に根ざしていないことを、目標にしていた可能性が高いのです。

価値観と理想のビジョンを明確にするには、自分との対話をすることが必要不可欠です。

しかし、自分との対話を正直にするのは、人によってはなかなか難しいもの。

どうすれば自分と対話を深め、自分の価値観と理想のビジョンを描けるのか?

その道筋がわかりやすく示されている本書のメソッドはとても画期的なものだと感じます。

④行動プラン

いくら自分と対話をして価値観やビジョンを描いても行動しないことには何も変わりません。

この項目では、具体的な次の1ヶ月の「行動プラン」を作っていきます。

「インパクト図」からは放電を減らし、充電を増やす行動や習慣を。

「価値観マップ」からは自分の価値観を強めてくれる活動を。

「理想のビジョン」からは、理想と目標を前に進める行動を書きます。

書き出すコツとしてはまずは、やりたいことを全部書き出すこと。

その上で、最重要な行動1〜3個に注目すること。

いつ始めて、いつ終わるのかを書くこと。

そして、TODOリストではなく「できたらいいなリスト」の感覚で自分の充電になるような行動になっていることが大切です。

⑤習慣化プラン

行動プランを実行していくにあたり、今の生活を無理なく改善していくのがこのステップ。

3つのポイントを抑えつつ進めていきます。

ポイント1 理想のスケジュールを書く

まずは、取り入れたい習慣や変えたい行動を全部取り入れたらどんなスケジュールになるか?

最初に理想のスケジュールを決めます。私の場合、この「理想のスケジュール」を決めて、そのとおりにやろうとしてうまくいかずに挫折してしまうことがこれまで多かったです。

当たり前です。「理想の」スケジュールなんですから、理想どおりにはそう簡単にいきません。

ポイント2 現実のスケジュールを書く

理想のスケジュールを決めたら、次に現実の平均的なスケジュールを書いていきます。

いきなり理想のスケジュールに変えるのは無理があります。だから、まずは1つスケジュールを置き換えていくところからはじめていきましょう。

ポイント3 絞る!絞る!下げる!

スケジュールを変えるにあたって、複数の新しいことを取り入れるのはスケジュールに無理が出やすくなります。

まずは絞る→取り入れる習慣を1つにする

さらに絞る→取り入れた1つの習慣を実施するための行動ルールを決める

最後に下げる→ベイビーステップとして小さくてもいいので変化をする

この習慣化の変化によって、少しずつ理想の生活に近づけていきます。

STEP3 書く習慣化 

最後に、3ヶ月に1回、15分程度かけて振り返りを行います。

振り返るのは以下の3点。

①良かったことを書く

3ヶ月で良かったことのリストアップ。嬉しかったこと、楽しかったこと、できたこと、成長したことを書いていきます。

②反省点を書く

やろうと思ってできなかったことや、うまくいかなかったこと。失敗したことや後悔したことをリストアップします。

③次の3ヶ月の改善行動を書く

良かったことで継続すること、反省点を踏まえて改善・解決する行動を決めていきます。

毎日「書く瞑想」で、モヤモヤや良かったことを見える化して、自分の感情を整理していく。

その積み重ねをもとに「書く片付け」によって、自分の価値観やビジョンを明確にし、達成するための行動計画や必要な習慣を決定。

実際に行動して、3ヶ月に1回振り返りをする。

この継続によって、どんどん悩みが整理されて、自分の理想に近づいていく気がしませんか?

今日、明日に大きな結果が出るメソッドではありませんが、1年、2年と続けていくことで信じられないほど大きな結果が出る。

そんな、可能性を持った素晴らしい手法だと感じます。

「書く瞑想」を読んでみての感想

書くことによって自分の思考を整理したり、アイデアを出していく手法は比較的よくある手法ではありあす。

「0秒思考」は、毎日A4の紙に手書きで思ったことを書いていくなど、本書との共通点もあります。

また、本書の中でも紹介された「モーニングノート」という手法や、樺沢紫苑さんの著書の中などで紹介されていた「感謝日記」、その日できたことをノートに書いていく「できたことノート」など、本書に近い内容を推奨する本はいくつもあります。

その中でも、本書の特徴は毎日のアウトプットをまとめて、自分の価値観やビジョンを確立し、具体的な改善の構造に結びつけていく体系的なメソッドにまとまっているところです。

最初の一歩をすぐに踏み出せる手軽さと、じっくり中長期的に実施していく奥深さとが両立しているのです。

とても明確に体系化されていて、理論的な裏付け、実際に1000人以上の人のコーチングを通じての実証結果、ともにそろっているところが凄いところなのです。

ここを抑えていなかったから、多くの人は行動が続かなかったり結果が出ずに終わってしまうんだなというのも、納得できました。

1日15分の「書く瞑想」を行うことを習慣化してみましょう

本書で提案されている「感情ジャーナル」は、本格的に実践し続けて人生を変えようと思ったら半年〜1年程度は続けていくことが望ましいと書かれています。

とはいえ、最初の1歩は1日15分の「書く瞑想」を行うところからです。

私は2022年、この「感情ジャーナル」を続けて、毎月、毎四半期の振り返りをしていくこと。

これを目標とすることに決めました。

早速、12月31日から1日15分の感情ジャーナルを書き始めました。

まだ1日書いただけなのでなんともいえませんが、続けることができたらまた感想をブログに書こうと思います。

これは、取り組む価値があるメソッドだと思い「書く瞑想」の書籍を紹介させていただきました。

この記事よりも、もっと詳しいことが本には書かれているので、実践するにあたって読んでみてくださいね。