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【感想】橘玲さんの著書「無理ゲー社会」を読んで考えた「無理ゲー社会」の攻略法とは?

こんにちは。守屋 (@shinichiroweb)です。

橘玲さんの著書「無理ゲー社会」を読みました。

私はもともとゲーマーであり、5歳くらいのときから父親の膝の上に乗ってゲームをしていました。

ゲームの攻略法を発見するのは、かなり好きです。

そんな私にとって、本書はなかなか興味深いタイトルでした。

キャッチーなタイトルですが、非常に多岐にわたる内容を扱っていて、どう噛み砕いて理解すればいいか迷いました。

そうした中で、「無理ゲー社会」の正体はなんなのか?

また、「無理ゲー社会の攻略法を考えてみました。

無理ゲー社会とは何なのか?

「無理ゲー社会」とは、社会の変化によって生きづらくなっている社会を比喩した造語です。

「無理ゲー」というのは、難しすぎてクリアが極めて難しいゲームのことを言います。

現代社会は人によっては人生そのものが「無理ゲー」と化していること。また、その「無理ゲー」に参加せざるを得ない状況になっていること。

これが、「無理ゲー社会」の正体であり、問題点であるといいます。

もう少し掘り下げて解説します。

人生に絶望しする若者たち

本書の冒頭では人生に絶望して「苦しまずに自殺する権利」を求める若者たちのことが紹介されています。

ある政治家がSNSで「あなたの不安を教えてください」とアンケートをしたところ、経済的な不安を訴える若者が極めて多く、「自殺する権利」を認めてほしいという意見も目立ったそうです。

とても衝撃的な冒頭ではありましたが、そのような人たちが増えている背景がまさに「無理ゲー社会」ともいえる現代社会の在り方だったのです。

格差社会と少子高齢化が要因

「無理ゲー社会」の要因として、一つは資本主義の進行による格差の拡大した社会が到来していることが挙げられます。

これは世界的な流れになっていますが、その上で日本では少子高齢化によって多くの高齢者を若者が支えなければならない社会構造も加わっています。

社会保険料の負担額は年々増えていて、それが原因で日本国民の手取りの収入は減っています。

その結果として、収入の格差も開き、困窮する若い世代の人も増えていくというわけです。

自分らしく生きるという価値観に苦しめられる人たち

格差が拡大した結果として日本で起きている現象が「上級国民と下級国民の格差」であると本書では伝えています。

そもそも、上級国民と下級国民の定義とは・・・

上級国民→知識社会・評判社会において「自分らしく生きる」という特権を享受できるひとたち

下級国民→「自分らしく生きるべきだ」という社会からの強い圧力を受けながら、そうできないひとたち

と定義しています。

この、「自分らしく生きること」を善とするリベラルな価値観が、「自分らしく生きることができない」人たちを苦しめているのです。

無理ゲー社会の攻略法はあるのか?

無理ゲー社会の到来によって「自分らしく生きること」ができない人が苦しむ世の中になってしまいました。

では、その「無理ゲー社会」を攻略する方法はないでしょうか?

無理ゲー社会を攻略できる人は、攻略できるだけの才能を持った人とも言えます。

つまり、違いをもたらすのは能力の格差であるといえます。能力の格差は遺伝によるものが半分ですが、残りの半分はまわりの環境に大きな影響を受けます。

これが「無理ゲー社会」を攻略するヒントではないかと思うのです。

遺伝で人生は決まるのか?

遺伝が人に与える影響は極めて大きいです。

本書でも示されていますが、行動遺伝学の研究によると「やる気」「集中力」「仕事と雇用」といった成功するのに不可欠だと思われる能力の大半が50%前後遺伝の影響を受けます。

これはかなり高い割合だと思いませんか?

先天的な才能が高い人が有利なことは疑いのない事実です。

一方で、もう半分は遺伝的要素以外の影響を受けます。

これを「非共有環境」といい、

・学校や地元の友達集団

・教師

・ソーシャルメディア

などが大きな影響を与えるという研究結果が出ています。

特に、子供の場合は「友達集団」の影響がもっとも大きいのだそうです。

つまり、仕事やプライベートで重要と思われるほとんどの分野において、遺伝の影響と非共有環境から受ける影響が90%以上となっているのです。

家庭環境や育て方など「きょうだいが同じ影響を受ける環境」は、ほぼ成功には影響を与えないのだそうです。

一生懸命、家庭での育て方を工夫しても無駄に終わる可能性が高いということですね。

それよりも、子供が過ごす環境をどこにするのか?

より良い環境を決めることに注力したほうが、子育てには良い影響を与えそうです。

環境を選択することが大切

人生を変えようと思ったら遺伝の要素は変えようがないので、非共有環境を変える必要があるのです。

実際、私の人生を振り返ってみても、

・自分のビジネスで独立

・恋愛と結婚

・自身の著書を商業出版

・やりたいと思った仕事ができたこと

などポジティブな出来事が達成できた理由は、人と会って刺激を受けたり、環境を変えたことによって結果的にそのことを達成できたというケースがほとんどなのです。

自分一人で決意して一生懸命頑張ったところで、たいした成果が出ずに終わったことがほとんどでした。

なにかを達成しようと思ったら、それを達成できるにふさわしい人と出会ったり、達成できる環境を選択することが何よりも大事だったんだ。

そう確信することができたのは、本書を読んだ発見の1つとして大きかったです。

無理ゲー社会の攻略を諦めない

今の世の中の流れを見てみると、たしかに「無理ゲー」だと感じても仕方がないくらいの状況ではあると思います。

一方で、その「無理ゲー」をある程度クリアして、幸せを掴んでいる人達がいるのも事実です。

その違いはなんでしょうか?

思うに、無理ゲー社会の攻略を諦めないこと。

そして、自分に与えられた才能を認めた上で、良い環境に身を置くことだと思うのです。

遺伝的な要因からくる才能は変えることができません。あるもので勝負するしかないのです。

決して才能は公平なものではないかもしれません。

一方で、結果を出すための条件の半分は環境によるものであり、環境は自分の意志で選ぶことができるのです。

攻略する方法は必ずあるんだと信じて試行錯誤を続けること。

それを、自分ひとりでやろうとせず、適した環境を探して選択していくことを意識してみてはいかがでしょうか?

ドラクエなどのロールプレイングゲームでも主人公には仲間がいます。自分一人で戦っても、できることはしれています。

私は無理ゲー社会の攻略を諦めません。