読書

死は存在しない〜ゼロポイントフィールド仮説から可能性を感じた話

こんにちは。守屋です。

2022年に読んで最も興味深いと思えた本があったので紹介します。

田坂広志さんの著書「死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説(光文社新書)です。

もともと、YouTubeの書評動画で偶然この本のことが紹介されていたのを見たのがきっかけでした。

「そうなの?」と疑問を持ちながら、興味深いテーマだなと思ってAmazonで買って読んでみました。

なぜ、死が存在しないのか?

「死は存在しない」というタイトルはとても挑戦的なものに感じます。

身の回りの人の死、あるいは芸能人・有名人の死と向き合うと、死は間違いなくあるものだろうと感じられます。

ここで言う「死」とは、現代の科学が定義する「死」だと本書では考えています。

つまり、死後の世界などはなく、肉体の死とともに意識は消滅して「無」に帰するということです。

考えてみれば、生まれる前のことは覚えていないですし、であれば死んだあとのこともきっと記憶・意識は残らないかもしれない。

あるいは、寝てるときも意識はないので、ずっと寝たまま起きないような、まさしく「無」の状態というのが死ぬということなのかな。

そんな認識の方が多いのではないでしょうか?

一方で、宗教やスピリチュアルの分野では「死後の世界はある」と考える場合があります。

葬儀や法事でお坊さんがお経をとなえるのも、「死後の世界がある」という前提を仏教では考えるからなんですよね。

それをどこか信じたいものの、やはりそれは科学的ではないから信じられない。

亡くなった人とコミュニケーションがとれたこともないし、死後の世界なんて確認しようもないよな。

そんな認識の人が多いと思うのです。

そこに1石を投じるのが本書「死は存在しない」なのです。

ゼロポイントフィールド仮説という考え方

ここで本書の中で登場するのが「ゼロポイントフィールド仮説」という考え方です。

あくまでも「仮説」ですので、これが真実なのか証明することはできていませんが、これが真実であれば、死後の世界やスピリチュアルな数々の現象の多くが説明できてしまう。

それが、最先端の量子物理学に基づいた「ゼロポイントフィールド仮説」だというのです。

この宇宙には「ゼロポイントフィールド」と呼ばれる場があり、その場にこの宇宙のできごとのすべての情報が「記録」されているという仮説です。

正直、「何言ってるの?」と突っ込みたくなる仮説かもしれません。

この宇宙には「量子真空」と呼ばれるものが存在し、その場が「ゼロ・ポイント・エネルギー」で満たされているということは、科学的事実として「その可能性がある」ことが認められているそうです。

「量子真空」は、この宇宙のすべての場所に普遍的に存在している。そもそも、宇宙のはじまりであるビッグバンが起きる前の状態は、そこには何もなく、ただ「量子真空」の状態があるだけだったといいます。

この「量子真空」が存在することは科学的事実ではありますが、その先の「仮説」が、量子真空のなかに「ゼロ・ポイント・フィールド」という場があり、この宇宙のできごとのすべての情報が「波動情報」として「ホログラム原理」で「記録」されている。

そして、そのゼロポイントフィールドにある一部の記録につながれば、フィールドすべてにつながることもできる。

ゼロポイントフィールドとつながることで、スピリチュアル的なさまざまな現象が説明できるようになるというのです。

ゼロポイントフィールド仮説で解明される不思議な現象

このゼロポイントフィールド仮説は興味深いだけでなく、うまく活用すれば人間の潜在能力を開花させることができる可能性を感じます。

例えば・・・

1.アイデアが降りてくる

「良いアイデアが急に降りてきた」という経験をしたことはありませんか?

あるいは、突然ひらめいて新しい発見をしたという話を聞いたことはないでしょうか?

この、ひらめきというのは単なる偶然ではなく、ゼロポイントフィールドと繋がったことにより、過去から現在にわたる全宇宙すべての叡智とつながったことで、新たなひらめきを授かった。

と考えることができるとどうでしょう。

多くの場合、このひらめきというのはリラックスした状態で生まれるようです。

机の上でウンウンうなって考えているときはアイデアは出なくて、お風呂に入ってるときとか散歩してるときとかトイレに行ったときなど・・・

少し問題から離れて静かな状態になったときに、アイデアが出やすくなる傾向にあるようです。

これは、「自我」の活動が静まっている「静寂意識」の状態において、ゼロポイントフィールドと繋がりやすくなる現象が起こることが原因と本書では説明されています。

たしかに、1日30分くらい瞑想をしていると、すごくアイデアが出やすくなったと感じたことがありました。

これは、ゼロポイントフィールドとつながりやすくなったからなのでしょうか?

2.神様の正体はゼロポイントフィールドだった!?

神、仏など人間を超越したなにかの存在も、実はゼロポイントフィールドのことを指しているのではないかと本書は述べます。

そもそも、昔から伝わってきている宗教の経典には、ゼロポイントフィールドの特徴に共通するところが多々あるといます。

これは、ゼロポイントフィールドとつながった宗教の創始者が、ゼロポイントフィールドの概念を言語化したものが宗教だからかもしれません。

3.前世の記憶

前世の記憶がある、過去生があるといったスピリチュアルなテーマも、ゼロポイントフィールドの存在によって観測される現象の可能性があります。

前世の記憶が存在するのはゼロポイントフィールドに記録された、誰かの意識にアクセスしたことで、情報が現実の人間にも流れてきたから。

だからこそ、行ったこともない地域の、その人にしかわからない情報をまったく関係ない第三者でも知ることができる可能性を示唆しています。

なので、前世の記憶というのは、生まれ変わりではなく、単にゼロポイントフィールドを通じて他人の過去の記憶にアクセスしているだけな可能性があるということです。

生まれ変わりを信じている人にはちょっとがっかりする話ですが、これもまた「そうかもしれない」と思えてきます。

仮説が本当だとしたら人生観が変わる

私が本書を読んで興味深いと感じたのは、「死は存在しない」かもしれないという仮説はもちろんのことですが・・・

ゼロポイントフィールド仮説が事実だと過程したときに、世の中に存在する不思議な理論を説明できる。

そして、その理論は自分の行動によって活用することができるということです。

ゼロポイントフィールドとつながることで、アイデアが降りてくるようになったり。

あるいは運気が上がったり。引き寄せの法則というのも、ゼロポイントフィールドと繋がることで機能していると考えられます。

スピリチュアルがまやかしではなく、科学的に説明できるかもしれない。

もちろん、死後も意識が存在して、死んでも無に帰することがないのであれば、それはそれで希望が持てる気もします。

そもそも、ゼロポイントフィールド仮説はまったくのデタラメで、実は死後にはすべてが無となるだけである。

その可能性だって、当然あります。

ゼロポイントフィールドとつながることで、なんらかの現象が発生するというのも、単なるプラシーボ効果などの錯覚である可能性もあります。

それでも、まずは「仮説が本当である」と信じて、「だったら、どう活用するか?」を考えて試してみる価値はあると感じました。

仮説が実は嘘であっても、仮説を真実だと仮定して行動することによるリスクは少ないです。

もし、仮説が本当であれば、この法則を応用して、人間の潜在能力を飛躍的に伸ばすことができる可能性があります。

瞑想の習慣化を始めとして、スピリチュアル分野で「これをすると良い」と言われていることをゼロポイントフィールドとつながることを意識してやってみるのは、非常に面白いと感じます。

この記事を読んで、ゼロポイントフィールド仮説に興味を持てた方は、ぜひ「死は存在しない」の書籍も読んでみてください。

単なるスピリチュアル本ではない、説得力と可能性を感じられるはずです。